電車に乗っている時の事。
読書をしていたら、本の右上に飴が見えた。
ハッカ飴とニッキ飴。
不思議に思って、目で飴の出処を探っていくと、
隣に座っているおばあさんに行き着いた。
そのおばあさんは、
「これしかないけれど、良かったら」と飴をくれた。
ありがたく頂戴した。
もちろん、このおばあさんとの面識はない。
80歳くらいかな?
軽く会話を交わして、しばしの沈黙。
次に、
「スナック菓子じゃないけれど」と栗おこしを貰った。
大阪名物の栗おこし。
しかし、おばあさんは広島から京都へと向かう旅路だった。
つまり、広島の人。
娘さんが京都に嫁いでいて、
観光がてら、京都へ遊び行くらしい。
電車の中でおじいさんおばさんに話しかけられると、
決まって昔話になる。
物はないけれど素敵な時代だった。
という話から始まり、色々と語ってくれる。
今回は、昔は名前が無かった。という話。
例えば、肩こりやストレス。
そんな物に名前はなかった。
体調が悪くなったら、体を叩けといわれた。
今でいう、血行をよくして体を温めろって事。
怪我をしたら唾をつけておけ。
現代は唾に抗菌作用があると説明されているけど、
当時、そんな事は知らなかった。
でも、それでも生きてこられた。
「病院なんてあちこちになかったからね
今の人は病院に頼りすぎ」
足腰さえ動けば、なんとかなるよ。
そして、神戸駅付近。
背の高いマンションを見ながら、
「こんな高いところにどうして住みたいと思うのでしょう。
いつからこんなビルが立ち始めたのでしょう」
「地球は泣いている」
そんな言葉をポツリと呟いた。
戦中戦後を生き抜いてきた人には、不思議な空間なんだろうなぁ。
あの時代を体験した人はみなさんパワフルだと思う。
ところで、おばあさんってどうして電車の中で隣に座った人に話しかける事ができるんだろう?
私達の世代がおばあさんになった時、
そうやって気軽に話しかける人って少ないと思うんですよ。
すごいと思います。
出来れば良いとは思うんだけど、
私にはできないだろうなぁ。
今現在でも、わりと人見知りをするタイプだし。
いやいや、人見知りをしなくて、やっぱり話しかけないかな。
でもね、おばあさん達も娘時代は気軽に他人に話しかけなかったと思うんですよ。
いつから、どのタイミングで、話しかけられるようになるんだろう??